2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

今にも折れてしまいそうな 薄刃の刃物の様になった三日月が好きだった。 すぐに壊れてしまいそうなものは 儚げで美しく見える。 最近は ふっくらとまあるく膨らんでゆく月を 美しいと思う。 時間とともに色々な事が変ってゆく。

インサイドアウト

お台場へ出掛けたのだが、 信号のトラブルとやらで 電車が途中で折り返し運転になっていて、 初めて降りる駅でバスを乗り継いだりして 何とか目的地に辿り着いた。 帰る頃には復旧しているだろうと高を括っていたら 読みが甘かった。 「今日の運転は見合わせ…

黄色い包み

玉ゐ の帰りに上野の大型玩具店、ヤマシロヤに寄った。 上野へ出ると必ず覗いてしまう。 そして殆どの場合、黄色い包みを持ち帰る。 電車の場合、それはほんの少し気恥ずかしい。 恥ずかしさの度合いは包みの大きさに比例する。 しかしこの日は友人の車。 気…

COREDO日本橋の近くにある穴子専門店、 「玉ゐ」で穴子飯を食べた。 ここの穴子は 煮上げ と 焼き が選べる。 案内してくれた友人の 「穴子のふっくらとした柔らかさがより楽しめる」 との奨めに従い、今日は 煮。 出汁を別に頼んで途中で薬味を乗せ 茶漬け…

穴子

吹割の滝

群馬県利根村にある吹割の滝へ 友人が連れて行ってくれた。 車を持たないので 所謂「景観の良い処」には なかなか行く機会がない。 滝の水は澄んできらきらと輝いて見えた。 杉林は鬱蒼と生い茂って真っ直ぐに伸びていた。 滝の音をじっと聴いていると惹き込…

行かなくちゃ

このところ夏の間よりも 食欲が少し上がって歳相応に元気なのだが、 水を飲む量が増え、尿の量も増えた。 それでも元々水をあまり飲まない方だったから、 普通に飲むようになった、という程度なのだが、 尿量が増えたのは腎臓の数値が あまり良くはないから…

テレビを点けたまま眠ってしまった。 一度消すと次はいつ点くんだか判らない様な そんな気紛れなテレビだから、 何となく消すのが惜しいような寂しいような気がしてしまう。 別れたら次にいつ会えるか判らない気紛れな恋人の様で 少し嫌だ。 明け方夢現で、…

合いの手

「レキシントンの幽霊」を買った。レキシントンの幽霊 (文春文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1999/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 39回この商品を含むブログ (247件) を見る いつもの様にベッドに入ったが、 やはりなかなか寝付…

レキシントンの幽霊を聴く猫

どうにも小腹が空いて寝付けないので、 ちょっとヨーグルトでも食べようと思った。 シロップ漬けのフルーツの瓶詰めがあったのを思い出し、 それを乗っけて食べるつもりだった。 ところがである。 どう頑張ってみても、瓶の蓋が開かない。 渾身の力を込めて…

おもちゃ

夜になって友人が訪ねてくれた。 美味しい珈琲を淹れてもらって (客が珈琲セット持参で訪ねてくれるなんて、 最高に贅沢) 色々な話をした。 友人はとても久し振りに、おもちゃ を買ったのだと言う。 それは12インチフィギュアと言われる、 精緻な細工の装備…

江國香織の「とるにたらないものもの」を読んだ。 とるにたらない本、だと思った。 けして貶しているのではない。 僕はこの本がとても気に入った。 とるにたらない、と言いつつ、 身の回りのモノや事象に向けられたその視線は、 暖かく、さりげない。 普段の…

長い長い夢を見た。 こんなに疲弊する夢は久し振り。 凄惨で陰鬱な内容だったが、 印象に残った場面だけを記しておく。 巨大な倉庫の様な建物が、アートイベントの ギャラリースペースとして使われており、 僕はそこで働いているらしかった。 プレオープンの…

ガスマスクとドラゴン狩り

静かな写真

共に暮らして来た二匹の猫が 最期の別れを交わしている場面を撮った一枚の写真。 その静かな朝、 あなたはどんな気持ちでシャッターを切ったのだろう。 腹が空いて入ったレストランで、 一通のメールに不意打ちを食らった。 心配させまいとする精一杯の空元…

初めて自宅でパンを焼いた。 友人に、自分の持っている電子レンジに オーブン機能もある事を指摘されてから、 プリン、ベーグル、パンと、これまでは 自宅では作れないと思っていたものが出来て 何だか楽しい。 薄力粉や強力粉なんて、一度買ったら いつまで…

魔法の粉

珈琲テロリストからの犯行声明が携帯に届く。 ポストを見ろ と。 急いで玄関脇のポストを開けてみると、 時限爆弾の様な銀色のポットに仕掛けられた 淹れ立てアツアツの珈琲。あまつさえ茶菓子までも! 僕はいつも慎重にポットを家の中へ運び入れ、 冷めてし…

珈琲テロ

昔は 食べ物にしろ 洋服にしろ 音楽にしろ これは好き、これは嫌い、 の境目がはっきりとしていて、 心から好きだと思えるもの以外には まるで興味が持てないばかりか、 許せないとさえ思う事もあった。 そうした狭量さが、若さ故の 無知で未熟で 貧弱な精神…

偏食家

地震と電話

地震があると 電話が鳴って あなたは決まって 「揺れたか?そっちは大丈夫か」 と訊くのだ。 「お前の家は襤褸屋だからな。 すぐに潰れてしまうぞ、気を付けろよ。」 と。 僕はもう そこには居ない。 あなたが言うその家に住んでいたのは、 ずっとずっと昔の…

江國香織 の「とるにたらないものもの」を読んでいる。とるにたらないものもの (集英社文庫)作者: 江國香織出版社/メーカー: 集英社発売日: 2006/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (44件) を見るサラッとした文体で 身の回りの…

ポストに珈琲が届いた。 友人の仕事が忙しくなって、 以前の様には頻繁に会えなくなっていたので 随分久し振りに飲ませてもらった。 挽き立ての新鮮な豆で淹れる珈琲は、やはり旨い。 マグカップにたっぷり三杯分の珈琲は 乾いた土に染み込む様に あっという…

ポストに珈琲

何とかスープカレーらしいものが出来る様になったので、 友人達を呼んで一緒に食べた。 おかわりしてもらえてにんまり。 大きめの豚バラブロック肉を入れたつもりが 念入りに炒めているうちに半分程の大きさに縮み、 更に念入りに煮込んでいるうちに脂身は溶…

スープカレー

九月に入って少し暑さも和らいだ。 狂った様な暑さから解き放たれて、 チィさんもぼくも ほっとして少し気が抜けたのか 呆けた様な間延びした顔をしている。 お互いに歳を取ってそれなりに不調はあるけれど これからは暫く優しい季節が続く。 薄手のコートが…