静かな写真

共に暮らして来た二匹の猫が
最期の別れを交わしている場面を撮った一枚の写真。
その静かな朝、
あなたはどんな気持ちでシャッターを切ったのだろう。


腹が空いて入ったレストランで、
一通のメールに不意打ちを食らった。


心配させまいとする精一杯の空元気。
文面から伝わるその気遣いと、
青味がかった写真の静けさが胸を締め付ける。
こんな時だけは、
思ってる事が素直に顔に出せない性質で
良かった、と思う。


どんなにか辛いだろうな。
その辛さは我が身にも切実に迫る。
それなのに、何一つしてあげられない。
「あなただけじゃないよ。
僕もきっといつか同じ気持ちになるんだから。」
と、そう伝えたいけれど、それはもしかすると
非常に傲慢な行為なのかも知れない。


只々、辛い時間が出来るだけ早く過ぎ去って、
心地良い優しい思い出だけが後に残るように、と願う。
猫との時間は、きっとそんな風でなくてはいけないと思うからだ。
辛い思い出であってはいけない。
あんなにふわふわで暖かくて、気高く優しい生き物なんだから。
最期の時が来ても、きっとそれは変らない。





がんばって。
がんばり過ぎないで。
泣き過ぎないで。
御飯をしっかり食べて。




辛い時間が、本当に本当に早く過ぎ去りますように!