2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

悪筆

家守を入れる為に誂えてもらった桐箱が 少々大き過ぎたかもと気になったので、 友人のパッケージデザイナーに見てもらったら 丁度良い大きさであるとのお墨付きを貰い、一安心。 残る悩みの種は「箱書き」だ。 僕の字は、目を疑う様な酷い悪筆で、 恥ずかし…

猫を彫る

猫を彫る。 猫は僕にとって、 一番身近で 一番彫りたくて 一番彫るのが難しい。 これまでも何度か彫ろうとしたのだけれど、 結局一度も巧く彫り上げられなかった。 賢者が静かに目を閉じ、 深い瞑想に耽っているかの様な風貌をしたその猫は、 目を開けば右の…

約束

一つの約束を果たし、 次の約束に取り掛る。 もうあまり時間が残されていない。 なのにまだどう形にすれば良いのか迷っている。 どうしても守りたい約束なのだ。 どうしても。

誰だか判然としないが 親しい友人が小さな赤ん坊を連れて来た。 その友人も、人から頼まれて預っているのだと言う。 僕はまだ作業中で、部屋の中には 刃物や危険な電動工具類が散乱している。 気になったが、友人が付いている事だし大丈夫だろうと 茶を淹れ…

小さなチェンソー

ビューティフルハミングバード カレン 郵政省のCMで流れていた「カレン」は 歌詞の中にサラッと「悪魔」という言葉が出て来て、 あんまり耳に優しいメロディと歌声で「悪魔」と囁くから 何だか不思議な気持ちになった。 最初に聴いた時は聞き間違いかと思っ…

耳に優しい悪魔

ブツン

「ブツン。」 という音がして、 それきりモニターの上半分が 紗が掛かった様に暗くなった。 ・・・・・見辛い。 どうやらモニターの上半分は死んでしまったらしい。 すぐにも買い換えたいが、出来れば引越しが済んでからにしたい。 それまで何とか持ってくれ…

ダンボール

今すぐ、というのではない。 何時、と決めている訳でもない。 でももういいかげんに準備に取り掛らねば、 という焦りを感じる。 大変な時間と労力を要するだろうから。 環境が変わる事への不安。 自分も周囲も含め、 新しい環境に順応出来るか否かという不安…

箔と粉

ヤモリの目に金箔を貼り、 その上に漆で瞳孔を描いた。 ヤモリの目は猫の目によく似ている。 ずっと見ていたら表情が鋭くなり過ぎた気がして また漆で塗り潰して金箔を貼り直す。 そんな事を何度も繰り返した。 埋められた箔がもったいないが、 納得の行く仕…

革を伸ばす

浄化槽の点検日。 一方的に通達された訪問時間。 それが正確に守られないのは非常に不快。 早く来るのも遅れて来るのも 僕が許せるのは友人だけだ。 担当者がころころ変わるのも面倒。 次は何月で誰それが来るのか予め言っておけと念を押した。 強い口調やき…

さらしを探す男

木彫のヤモリの目に金箔を貼り、 上から猫の目の様な縦長の瞳孔を描いた。 表情が引き締まって睨みが利く様になり、 魔除けになりそうな顔になったが、 しかしまだ何かが足りない気がする。ほんの一部、 範囲にしたら数ミリにも満たないかも知れないが それ…

桐箱とブーツ

作品を納める為の桐箱を買いに上野へ。 桐箱を丁度良い大きさに誂えてもらい、 帰りに気になっていたブーツを見に行った。 豹柄のブーツは革が柔らかで履き心地は良さそうだったが 矢張り合わせる服を選びそうだ。 結局チェリーレッドの鉄板入りおデコ靴に決…

日本怪談集 幽霊篇〈上〉 (中公文庫BIBLIO)作者: 今野円輔出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2004/12/20メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (4件) を見る日本怪談集 幽霊篇〈下〉 (中公文庫BIBLIO)作者: 今野円輔出版社/メーカ…

晩御飯はおつな寿司地階でのんびりいなりなどつまむ。 海葡萄を初めて食べた。プチプチした食感が楽しい。 その後青山ブックセンターとTSUTAYA六本木店をはしごして帰宅。

赤坂乃木坂六本木

赤坂から六本木へ。 初めて日枝神社に行った。 乱立するビル群の真ん中に突如現れる鳥居。 境内へ続くエスカレーターまで付いていて 何だか不思議な空間。 ここの神の使いは猿。 神猿の像はなかなか良いお顔。 福猿守りを購入。 赤と白があって迷ったが、羊…

速いのいいなー

友人の家で棚を組むのをお手伝い。 新規に購入したパソコンを並べるための棚。 いつもながらきちんと設計されていて、 使い勝手の良さそうなスペースが確保されていた。 VISTA、処理速度が速い! どのサイトを観ても表示されるのがあっという間で、 僕が使っ…

磨き

ウッドオイルが浸透して落ち着いた色合いと艶が出て来た。最後にもう一度磨いたら、 目入れをして部分的に金箔を貼って行く。

祈り

手足は太く、がっしりと力強くなければならない。 尾は凛として優美な弧を描いていなければならない。 太く短い指は、一本一本を離さずにおいた。 何も洩らさぬ様に。 御依頼を下さった方の新しいお住まいの壁で 日々の暮らしを静かに見守り、 家守の勤めを…

今年の初めにお受けした家守のオブジェが 漸く形になって来た。 残る作業は塗装と壁に取り付ける為の穴開け。 細部の手直し。 今夜からウッドオイルの塗布を始める。 塗り込んでは磨き、乾いたらまた塗る作業を繰り返し、 内部までオイルを浸透させて木の強…

丸ビルへ TAKEO PAPER SHOW を観に行った。 どんなものだかあまりよく知らずに行ったのだが、 薄暗い会場の中に色んな紙製品のサンプルが スポットライトを浴びて展示されていて、紙業界の人たちなのか、 ダークスーツの面々が熱心に各製品の説明を受けてい…

昼食は渋谷駅近くの釜飯屋、鳥ぎんにて鳥釜飯。 昼時だったが然程混んでもいなかったし、 のんびりと食事を摂る事が出来た。 銀座店には何度か行った事があるが、食べ終わる頃になると 声の大きなおかみさんが釜の中をチェックしに来て、 おこげが残っている…

おこげ

所用ありて渋谷まで出掛けた。 東急ハンズにて金箔、銅版、真鍮釘等 急いで必要な素材を買い求める。 ハンズの渋谷店はどうもレイアウトが見辛い。 何度行っても慣れずに行ったり来たり、 必要な物を揃えるのに一苦労する。 ハンズは池袋店が一番好きだ。

一階で作業をしていたら、トットットッと 階段を降りて来る足音が聞こえた。 鑿を砥いでいる最中だったので 手を休めず作業を続ける。 振り向きはしなかったが、後ろに忍び寄って来る気配は感じる。 一本砥ぎ終わって振り向くと、そこには “だるまさんが転ん…

だるまさんが転んだ

小さな頃、父の洋酒棚から果実酒を盗み飲みするのが好きだった。 台所の洋酒棚に並んだ、背の高いのや、丸いの四角いの、 様々なボトルに入った琥珀色の液体はどれも、その頃の僕にとっては おかしな匂いのする只の不味い飲み物でしかなかったが、 その棚の…

小さな頃、塩漬けにしたばかりの まだ産毛の生えた様な青梅を 盗み食いするのが好きだった。 夜な夜な漬物の壺からこっそり青梅を取り出しては、 カリカリコリコリと齧る。 まだちゃんと梅干になっていない青梅には独特の香りがあり、 舌の先にピリピリした…

履き心地

足にしっくりと馴染んで履き心地の良い、 綺麗な編み上げのブーツが欲しい。 長く何処までも歩いて行ける様な。 何か考えたい事がある時にも、 何も考えたくない時にも、 僕は只管歩く。 気が済むまで、 或いはもう一歩も踏み出せなくなるまで、 何処までも…

心配

薄気味悪く絡み付いて来る言葉。 何が心配なのか。 よく確かめてみようともせずに 稚拙な自己満足の為だけに 只心配顔を作って外へ向ける事で 自分に酔っているだけではないのか。 何て気持ちが悪いんだろう。 そういう幼稚な感情とは、小学生までで とっく…

帰り際に山本屋本店で味噌煮込みを食べ、 友人への土産を買い、チィさんの許へ帰宅。 鍵を預けた友人が珈琲を淹れて待っていてくれた。 部屋の灯りが点いているのが嬉しい。 珈琲の香りが漂っているのが嬉しい。 言葉を交わす人が居るのが嬉しい。 チィさん…