チィ

どんな風に過したか、一目見ればすぐに判る。 穏やかで満ち足りた表情。 少しもがつがつしていない。 “撫でるなら撫でてもいいのよ”と言わんばかりの余裕のポーズ。 ほっとする。 随分可愛がって貰ったんだな、と思う。 この気難しくて小さな御婦人が 留守の…

鳴きながら階段を降りて僕を探しに来たり、 階段を上る途中で立ち止まり 不安げに振り向いて僕を待ったり、 何時になく自然な様子でぴたりと寄り添ってみたりするのは、 きっと気紛れな君の事だから 今がそんな気分なだけなのだろうけれど 愛しくて哀しくて…

まだ誰にでも、という訳ではないが、チィさんが思い切り甘える様になった。 何年か前迄は想像も出来なかった様な緩み切った姿で、 全ての体重を預けて甘えている。 それは僕が目にするのを、もう半ば諦めかけていた姿で、 元々他の兄弟たちよりも明らかに用…

よく買出しに連れて行ってくれた御近所の友人が越してしまい、 重い猫砂を買うのに難渋して、初めて通販で買ってみた。 ダンボールでまとめて届いてとても便利。 少々高くつくが致し方ない。 チィさんお気に入りの猫缶は、買っていたお店が取り扱いを止めて…

今日は「写真の日」なのだそうだ。 撮りたいものが在る事を幸せに思う。 撮られる側がどう思っているかは知らないが。 http://uronnaneko.jugem.cc/?eid=1180

留守の間に室温が上がっていやしないかと気になったが、 部屋に戻ってみると、階段を登る途中からひんやりとして、やけに涼しい。 二階が一階よりも涼しい筈はないのに、変だなあと思いながら奥の部屋へ行ってみると、 出掛ける前に確かに消した筈の冷房が入…

大学院で同期だった友人が出展している美術展を観に行く。 作品はチィさんをモデルにした木彫で、姿を写し取るのではなく、 雰囲気や空気感を参考にしたという事だから 外見上の様子は随分と異なるのだけれど、 後姿や表情の所々からチィさんを感じ取る事が…

先日人と話していて思い出した事。 美術学校に入ってすぐに、 木を素材にして自分の手を彫らせる という課題があった。 必要最低限の道具が与えられ、限られた時間内に 自分の利き腕ではない方の手で時々握り拳を作り、 それを見ながら彫るのだが、これが驚…

今だって誰にでも気を許して触れさせる訳じゃないけれど、 チィさんは昔、誰かに手を近付けられる度、びくっとして身を縮めてた。 だからこんな風に安心し切って撫でられてる姿を見ると ちょっとだけ感傷的になってしまう。 素直に甘えられなくて、撫でて欲…

猫仲間のぼぶさんとうみうしさんのおうちへ家庭訪問。 片付いた綺麗な部屋で快適に暮す宝石みたいな猫たち。 しきりに“綺麗だなあ、可愛いなあ”と思う。 どの猫も大きくて立派に見えて驚いたけど、 猫って普通はあのくらい大きくなれるものなんだよな。 何時…

珍しく朝早くからチィさんが何度も起こしに来る。 猫缶の催促だと思って用意したが、 上にほんのちょこっとトッピングしたドライフードがお気に召さなかったらしい。 一頻り騒いで、これもとても珍しい事なのだが、僕の目の前でテーブルに上がった。 留守の…

帰宅してみるとチィさんは二階のカーテンの向こうに行儀良く座っていて、 小さく一声鳴いて絨毯の上に横になり、撫でられるのを待っている。ただいま。 今度も少しだけ疲れたよ。

少し冷えるとの事で、夜間は暖房が入る様にしてくれたとの事。 細やかな心遣いがありがたい。 長く一緒に過して貰ってチィさんの御機嫌は本日も上々。 リアルタイムに様子を知らせてくれるのが何よりありがたく、心強い。 留守中チィさんがお世話になる友人…

暫し帰省中。 留守の間は友人とキャットシッターさんが 交代でチィさんのお世話に当ってくれている。 こんなに御機嫌麗しいですよ と写メが届いて、 ほっとする。 思い切り甘えている様子。 デパ地下で天むすや手羽や味噌串カツを買って公園で食べる。 飲酒…

日の丸はパンダみたいな白黒の斑猫で、 ちょこんと首を傾げて座る癖があった。 そうやって何かを待つようにドアの前に座り、 外の音に耳を澄ませている。 その小さな後姿を見るのが、僕はとても好きだった。 日の丸と名付けたのは、仔猫特有の丸味を帯びたお…

暗いうちに目を覚まし、チィさんのトイレを掃除して ゴミ出しをして、朝食のパンを買いに行く。 普段と何も変わらない一日の始まり。 また一つ歳をとった。 晴れがましい事は何もなく、あーあ、またやっちゃったね、 という様な歳の重ね方だが、それでもまだ…

友人が去る日。 近所の友人も暇乞いにやって来て 朝日が差し込む窓辺で一緒に珈琲を飲み 暫し別れを惜しむ。 滅多にない機会だからと互いを写真に収める。 荷造りを済ませ、上着を着て出発の準備を整えた友人に 最後にチィさんを渡して抱いてもらう。 「また…

チィさんは僕が咳をする度に大きく揺れるベッドの上で、 いかにも不満げな表情で丸くなり、 時折こちらを見ては小声で何か文句を言う。 「窓辺で日向ぼっこしておいでよ」と声を掛けても、 頑としてベッドから動かず、 隣の部屋で思う存分ソファーを占領する…

id:minemewさんから頂きました (*´Ω`*)ゞ 折角なのでここはチィさんに答えてもらおうと思います。まずはチィさんの自己紹介から ■名前名前は チィ 敬称は“さん”で。 “ちゃん”と呼ばれるほど子供じゃないし、 “様”と呼ばれるほどエラくないの。■年齢人で言っ…

友人が訪ねて来ている間に、チィさんが布団の上に粗相をした。 ついさっき見た時は布団の上で円くなって 身動きもせずよく眠っていたのに、と 滅多にない事なので驚き、心配にもなったけれど 機嫌が悪い訳でも、体調が悪い訳でもなさそうだ。 “そこ、濡れて…

SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM が届いた。 早速D40に装着して試し撮り。 わーい あ・か・る・い! よくぼける!(背景が) まだどう使えばこのレンズの特性が最大限生かせるのか さっぱり解っていないけれど、 これから沢山弄って何とか使いこなせる様にしたい。

Café CHEZ MADUにて朝昼兼用の食事。 焼き立てのガレット・デ・ロワが旨い。 映画を観る前に食べておいて良かった。 観た後ですぐにパイは食べ辛い。 内容が内容だけに。 映画館へ足を運んだのは本当に久し振りで それなりに高揚感はあったものの、 期待して…

鋭い切れ味が自慢のチィさんの爪は、 小さな剃刀の様に薄く、先端は針の様に細い。 いつも本当に感心してしまうくらい丁寧に磨ぎ澄まされていて、 時々知らぬ間に僕の薄い皮膚を傷つけてしまう。 ほんの小さな傷で、切れた事にも気付かないくらいなのに、 結…

キャットシッターさんから電話連絡。 滅多にない事なので何かあったかと身構える。 もう次のシッティングに向かわねばならない時間なのに、 中に閉じ込められたまま玄関のドアが開かなくなってしまったという。 呪われた人喰い屋敷もいよいよ本格的だ。 一度…

チィさん、すぐに戻るよ。

古着を買うと、まずは洗う。 それはもう、がんがん洗う。 DRY CLEAN ONLY と表示のあるものも、構わず洗う。 それは自分なりの儀式の様なもので、 前の持ち主の残り香や気配を消し、 完全に自分の持ち物にする為に必要不可欠な儀式なのだ。 だからクリーニン…

涼しい、を飛び越して急に肌寒くなった。 急に気温が変わったからか 気持ちがざわつくのはチィさんも同じ様で 寂しげに鳴きながら家中を歩き回り、 一頻り騒いてからベッドに来た。 撫でてやると喉を鳴らして布団に潜り込む。 何となくブライアン・イーノが…

随分前に上の右奥歯が抜け落ち、 歯茎の腫れがひいて口の周りを触っても嫌がらなくなった。 もうすぐ左上の奥歯も抜け落ちるだろう。 それで痛みがなくなるのなら喜ばしい。 カテゴリーを整理し直して、 メニューに「動画」と「チィ」を追加した。

深夜、ベッドでHEMPを編み編みしていた。 チィさんはHEMPの上にどっかりと居座って 邪魔をするのに余念がない。 視界の端に動く物があるので、 手を休めてそちらを見ると、黒い物体が壁を移動していた。 あまりに久し振りに見たので、暫くはそれが何なのか解…

台風一過の青空が広がったと思ったら、朝からぐらぐら。 地震があるといつも、チィさんは僕を睨みつける。 「アンタなの!?アンタが揺らしてんの!?」 と言わんばかりだ。 チィさんにとっては、世の中の災難や気に入らない出来事は、全て僕の所為だ。 寝返…