木曜日。


暑い一日になりそうだったので
いつもの様に冷房をかけっぱなしにし、
窓辺からベッドの上にチィさんを移動させ、
「ここが涼しいよ」と言い聞かせて出掛けた。


夜になって戻って来たら、
停電があったらしくエアコンが消えていた。
室温が高い。
急いで冷房をかけてチィさんの体温を確認する。


チィさんは出掛けた時に見たままの場所で
はへーーー と伸びていた。
触るとゴロゴロ言っている。
良かった。ダメージはないらしい。
「ここが涼しいよ」なんて大嘘をついてしまった。
停電は困る。こういう事もあるから、
やっぱり夏は長くは家を空けられない。


何故かチィさんは、夜になって部屋に戻った時にも
朝出掛けた時に見掛けた場所に、そのまま居る事が多い。
まるで一日中一度も移動しなかったみたいに見えるが、
食事をした形跡があり、一階のトイレを使用した形跡もある。
例えばベッドの上なら、一度降りたのなら戻って来ても
少しくらい場所がずれていてもおかしくないと思うのだが、
寸分違わず同じ場所に戻っている。
出掛けた時に見たのがベッドの足元右側なら必ずその位置へ。
枕元ならやっぱり枕元へ。
この妙な癖は僕が留守の時に限られるようだ。
猫には何かそんな習性でもあるのかな。
他の家の猫もそうなのかな?