子は相変わらず保育園での風邪の洗礼を受け続けている。
平穏に続けて通えるのは二三日のことで、
四日目以降になると必ず咳をしたり洟を垂らし始めて、発熱する。
僕や妻も煽りを食って、最近ではうちではいつも誰かが風邪をひいている、
というような有様だ。
咳が止まらなくて眠れない辛さは身に沁みて分かるから、
小さな身体を震わせるようにして泣きながら起きてくるのを見るのは辛く、
早く丈夫になっておくれ、とばかり考える。
僕も小さな頃は病気がちで床に臥せってばかりいたから、
こんな風に随分と両親に心配をかけたのだろうと思う。
そんなことさえ、今になって漸く判る。
知った風な気でいたことが、親の立場になってみるとまるで違う。
あとのことはどうだっていいから、病気にならず、事故に遭わず、
生きていて欲しいとだけ思う。
毎日毎日、朝から晩まで顔をくしゃくしゃにして泣いたり笑ったり、
思い切り叫んだりでんぐり返ししたり、その小さな背中を見ながら、
父もこんな気持ちで僕の背中を見ていたのだろうかと考える。