しづかに

もう先月の事。 所要あって妻が長男を連れて里帰りした。 僕はお留守番と相成った次男の御機嫌を伺いつつ過ごしていたのだけれど、夜になって激しい頭痛があり、いつもの薬が効かずに何度か吐いて寝込んでしまった。 何とか風呂に入れたり食事させたりして早…

何もないことの幸せ

気が付けば、もう半月ほど誕生日が過ぎている。 この日記の書き出しに、「気が付けば」と書くのはもう何度目の事だろう。 もう誕生日なんて本人でさえ忘れている事も屡々で、特に目出度い日でもなくなっているのだけれど、何事もなくまたこの日を迎えられた…

しましまろ

もうすぐ次男坊が三歳になる。 上の子とよく遊ぶおかげか、何でもよく兄の真似をして発語も早く、色々と話す。 微妙に間違うのが可笑しくて可愛くて、本当はいけないのだろうけど、敢えて正さないでそのままにしている。 「マシュマロ」は「しましまろ」。 …

溜息

年末に子がインフル羅患などして、気がつけば年も明け、早くも月が変わろうとしている。 時が経つのが早過ぎて、気持ちがちっとも追いつかない。 忙しい、などと言ったら叱られそうな、ぐうたらした毎日である筈なのに、どういう訳だか慌ただしくはあって、…

父のこと

父が亡くなった。 四月にこの日記に父の事を書いてから五ヶ月。 病院のベッドで、安全の為に着けられたミトンを嫌がりながら、何度も危険な状態になりながら、呆れるほどの強靭さでその度に持ち直した。 もう回復の見込みが無いのなら、出来るだけ苦しまない…

記憶

日が長くなったので、時折保育園の帰りに公園へ寄り道をする。 ブランコを押していたら長男が唐突にこう言った。 「ねーねー、ちーくんが赤ちゃんだった時、ちーくんのこと、おばあちゃん抱っこしたよねー?」 「したよ。どうして?」 「おばあちゃんもう来…

黄金の日々

先月の初め頃だったか、或いはもう少し前か。 長男が園で貰って来た風邪にやられて、寝込んだ。 咳が酷かった以外は熱もそれ程には上がらず、 とは言うものの40度代迄は行かずにぎりぎり踏み留まる、という感じではあったのだけれど。 横になると酷く咳き込…

額の感触

いつもの事で、後で書き留めておこう、と思った切り、更新せずにそのまま過ごして忘れてしまう日々のあれこれ。 二人の子は無事に四歳と二歳になり、上の子はもうかなり色々と話をして意思の疎通が可能となり、殆ど親を困らせる事もなく、優しく物分りの良い…

書き残しておく理由

決して楽観的な方ではないが、自分では、大袈裟に悲観的な方でもない、と思っている。 誰にでも明日が来るわけではない、と考えているし、普段からそのように生きようと心がけてはいるが、気付くと色々と先送りしたり疎かにしている事ばかりで、この日記もそ…

くろいしと

長男が時々興味深い事を言う。 次男が風邪をひいて体調の良くなかった時だったか、昼寝のタイミングを逃して薄暗くなり始めてからしきりにぐずり出したので、家の中を静かにするため長男を外に連れ出した。 家を出て駐車場の横を通り過ぎる時、突然ハッとし…

動物園

金曜、保育園の遠足の日だったのだけれど、それには参加せず家族で動物園へ自主遠足する事に。 僕の体調の所為もあって、最近では予定を組んでもその通りに行かない事も増え、時々はこうして子供達を行楽へ連れ出したいと思いながらなかなか実行には移せない…

歓喜の歌

子が早くに寝静まった日には、僕の部屋で妻と映画を観る。 昨日も二本ほど観終え、それぞれの部屋に別れてパソコンに向かった。 部屋を暗くしたまま暫くパソコンの画面を見ていると、ごく微かな音量でハミングが聴こえて来るのに気付いた。 知らずにブラウザ…

上の子も下の子も、小さな子は皆そういうものなのだろう、高い熱をよく出す。 判ってはいても、小さな身体を震わせて泣き、荒い息をして苦しそうにしているのを見ると、何とかならないものか、代わってやれたら、と考えてしまう。 何としても適切に対処した…

もう随分とましになったのだけれど、先々週だったか、酷く腰を傷めた。 子供達を保育園へ迎えに行き、金曜だったから抱え切れないほどの荷物を自転車のハンドルに掛け、前と後ろに子を乗せてまるで曲芸師の一家にでもなったような緊張感で、慎重に、でもふら…

僕の誕生日に長男が三歳児検診に行って骨折して帰る、の巻

またまた色々まとめて書いた為にちっともまとまらない日記。 もう何度目か正確なところを忘れてしまったし知りたくもない僕の誕生日。 丁度この日が長男の三歳児検診で、妻と子が保健所迄出掛けたのだけれど、 検診に出掛けた筈が脛をパッキリ折られて痛々し…

寝かし付け

少し前にiMacが壊れた。 突然モニターがギザギザした縞模様になってそれっきり。 修理に出してモニターの交換で事なきを得たのだけど、手痛い出費。 そして修理から戻るまでの間、次男の寝かし付けに非常に難儀した。 と言うのも、長男の時もそうだったけれ…

 敬老の日、母が旅立った。

白血病が再発し、再入院してから四日目のことだった。 何でも我慢してしまう癖の人だったから、 医師が「全身の骨が軋むような激しい痛み」と表現した痛みでさえ、 ぎりぎりまで自宅で我慢してしまったようだ。 モルヒネの投与が遅れた為にすぐには充分な鎮…

少し前に、車を買った。 兄が、知り合いの中古車屋に驚くほど安い車がある、と教えてくれたのがきっかけで、 もう車を見もせずに、その場で買う事を決めてしまった。 兄は車を使う商売をしている。 その兄が、確かに古いが、まだ暫くは大きな問題なく使えそ…

母が退院して数ヶ月が過ぎた。 とは言っても寛解まで漕ぎ着けたという訳ではなく、 薬物治療の副作用が強く出て、続けて行くことが難しくなったからだが、 それでも一時は会話も困難なほどに弱っていたのが、 何とか自宅に戻る事が出来、母の希望通り元の暮…

三月十日、次男が生まれた。 僕は家に長男と居て、立ち会わなかった。 傍で見守るのもけして落ち着いた心持ちではいられなかったが、 離れて待つのはもっと落ち着かない。 次の日を待って長男を保育園へ預け、妻と次男に会いにゆく。 小さな手、まだ瞼に腫れ…

いつものように保育園に子を迎えに行くと、 園の門を潜った途端に担任の保母さんが子の手を引いて出て来た。 タイミングがあまりに早かったので驚いたが、 アレルギーのある食材を間違って食べさせてしまい、 その状況説明をする為に僕が迎えに来るのを待っ…

子は相変わらず保育園での風邪の洗礼を受け続けている。 平穏に続けて通えるのは二三日のことで、 四日目以降になると必ず咳をしたり洟を垂らし始めて、発熱する。 僕や妻も煽りを食って、最近ではうちではいつも誰かが風邪をひいている、 というような有様…

子が風邪をひいた。 保育園が始まると次から次へと色々あるよ、と聞いてはいたけれど、早速。 すぐに病院に連れて行ったが、夜半から明け方にかけて熱が上がり、 眠ろうとすると詰まった洟が気道を塞いで息苦しいのだろう、 何度も苦しそうに咳き込んで、泣…

慣らし期間中で非常に短時間という事もあってか、 保育園に通い始めた子が驚くほどに楽しげで、 母親の姿が見えなくなった途端に酷く泣き出すのじゃないかと心配していたのが 気抜けしてしまうほどで、迎えに行ってもまだ帰りたくなさそうにするらしい。 通…

ここ暫く、子の四月からの保育園通いの支度などに追われて落ち着かない。 かなり無理をして、とうとう電動アシスト自転車なるものを買った。 自転車のハンドルに取り付けたシートに子を乗せるので、 幼児用の丈夫そうなヘルメットを探して買った。 雨が降れ…

今日で一歳になった。 あっという間だったような気もするし、そうでもなかったような気もする。 機嫌が良いと、にこにこしながら仁王立ちしている様子が度々見られるようになった。 伝い歩きをするようになり、ちょっと目を離すとソファーによじ登って お向…

子を風呂に入れて、結局いつも水浸しになるから 自分も手早くシャワーを浴びて、というのが日課になった。 目を閉じて頭の天辺から熱い湯を浴びる。 先程迄の喧噪が消えて水音だけになった瞬間、ふと、 結婚し子が出来て家族を持ったというのは全て夢で、 浴…

百日が瞬く間に過ぎた。 一生懸命に人の顔を目で追うようになり、 声を上げて笑うようになった。 どんどん人になってゆく。 それが嬉しくもあり、少し惜しいようでもある。 子があらぬ方へ笑いかけたり話し掛けたりしているのを見ていると、 僕がとうに忘れ…

初めての子は予定日よりも遅れることが多いと聞いていた。 前兆も全くなく、もっと歩いたりした方がいいのかも知れないと、 出産予定日だった二日にも散歩に出掛けた。 少し腰が重い気がするというので夕方頃には引き上げて来たのだけれど、 食事の支度をし…