書き留めておきたい事が幾つもあるのに、ここに書かずに日が経ってしまった。


注文を受けて羊毛で作ったマスクを納品した。
注文を下さった方御自身が物作りをされる方で、
始めてお会いする方だったけれど、その方にお任せして値段を決めて頂いた。
不思議と何の不安も感じなかった。
その方の作る物をある程度見て来て、丁寧な物作りの姿勢や、
制作する行為を決して軽んじる事のない方に思えたので。
お会いしてみると矢張り思った通りの方で嬉しくなる。


本当はもっとお支払いしたいのだけれど、今はまだ無理なので、
不足な分は自分に出来る事で何かお役に立てれば…
と言って下さった。その言葉だけでも嬉しい。


簡単にちょちょいと出来るのだろう、と思われがちで、
特に近しい人からそうした扱いを受ける機会が多く、その度に溜息が漏れる。
勿論傍で作業を見た事のある人はそうでない事を知っているが、
出来上がった物から作業を想像するのは困難なので無理からぬ事なのだろう。
値踏みされたり驚かれたりするのにうんざりする。
大抵そうするのは興味も持たぬ者だからだ。


次の注文が入った。
最初に値段を確かめることもなく、これこれこういう物を依頼したい、と言う。
迷わず受ける事にする。
それなりの対価を払ってでも欲しい、と思ってくれた人に持っていてもらいたいし、
その為になら寝ずに作業するのでも少しも苦にならない。