一年前の三月二十二日は晴れ。
暖かな日差し。
穏やかな春の始まり。
チィさんの骨壺を抱いて、桜の木の下に立った。


明日で丁度一年になる。
チィさんのことを想わない日はない。
柔らかな背中を
ざらざらした舌を
物憂げな目を
静かな佇まいを
心許なげな後ろ姿を


一緒に暮らした十九年間のことを


一年前と同じ様に
明日もきっとまた晴れる。