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何をしていてもチィさんの事が頭から離れない。
唇に耳の先を当てて、少しでも普段より熱く感じると
熱が高いのではないか、呼吸が荒いのではないか、
今日は少し毛艶が良くないのではないかと
あれもこれも気になって仕方がない。
一番気になるのは、あんなに好きだった日向ぼっこを
あまりしなくなってしまった事で、
一日中薄暗い処でじっとしているのを見ると
矢張り辛いのではないかと、どんどん不安になる。
沈み込まない様に、動けなくなってしまわない様に、
何とかテンションを保とうとしている。
自分の身に直接降り掛かって来る事ならば
それなりに対処して、こうもだらしなくへたり込んだりはしないのだけど。
どう対処すればよいのか、
どうしていくのがより良い選択なのか、そればかりを考える。
「どうして欲しい?
どうしたい?」
何度も問いかける。
チィさんは何も答えず、じっと僕の目を見ている。