ゆっくり起きて美味しいパンとスクランブルエッグを頂いた。
午後からはゆちゃんと出会う事になったという大きなショッピングモールへ。
洗濯物などの不要になった荷物を自宅に一足先に発送し
猫砂やドライフードを運ぶのを手伝い、
戻って夕飯を作って頂き御馳走になった。
御馳走になってばかりいる。
結局滞在中は丸々お付き合い頂いて、
車を出して貰ったり食事を作って頂いたりした。
無遠慮にお世話になり通しで申し訳なくなる。
母に「お前は遠慮のし過ぎで人を疲れさせる」とか
遠慮ばかりしていては好意を無下にする様で
却って失礼になるのだとよく指摘されてきた。
それでどれくらい遠慮すべきなのかよく考えてみるのだけれど、
いつも適当な加減というものが判らない。
黙って御好意に甘えてばかりで良いものかどうか、
遠慮するべきか否か、どの辺りで辞したら良いのか、その都度とても迷う。
迷って黙り込んでいると気を遣わせてしまうのではないかと心配になって、
それでまた余計に考え込んでしまったりする。
端から見たら滑稽な悪循環のループだけれど、
本人はいたって真面目に考え込んでいるので笑う余裕はない。
どうしてこんなに不器用なのかと時々情けなくなるが、
これが自分なのだから仕方がない。
折り合いをつけて何とか取り繕う術を身につける。
感謝する事とそれを巧く表現する事とはまた別で、
僕はいつもそれを巧く人に伝えられない。
思うところは沢山沢山、あるのだけれど。


また見たい景色、立ちたい場所、
その一つ一つをよく噛み締め、味わった。
いつかまた行く事が出来るのなら、その時にはもう少しスマートに
色々な事を巧く人に伝えられる様になっていると良いのだけれど。
空港へ向かうバスの窓から外の景色をぼんやりと眺めながら、
そんな事を考えていた。