晩御飯はこれもお勧めのお店へ案内してもらい、
初めて本場のスープカレーを頂いた。
大きな具材がたっぷりと入っていて、
スープも大きな器に並々と注がれている。
辛さが15段階に別れていて、僕は2を、
前回4で物足りなかったという彼女は5を、
彼女のお母さんは1を注文した。2でもそれなりに辛くて、
食べているうちに身体がぽかぽか暖まって来て少し汗ばむ。
途中まで美味しい美味しいと食べていた彼女が
急に咽せて顔を真っ赤にして目を潤ませている。
スープが喉の変な所に流れてしまったらしい。
普段辛いものに強くて滅多に見せない姿なので、
気の毒だけど珍しさの方が勝って笑ってしまった。
カウンターの奥に処狭しとスパイスの瓶が並べられていて、
自宅で切らせてしまっている物をチェックする。
フェンネルなどは最近は省いてしまっていた。
また手抜きせずにきちんとスパイスを揃えて作り直してみようと思う。



お世話になった御礼に包丁を研がせて頂いた。
包丁を研ぎながらカウンター越しに見える居間で家族が寛いでいる。
普段見知った人たちにも家族があり、誰かの娘だったり息子だったり
姉であったり兄であったり妹だったり弟だったりする。
当たり前の事だけれど、一緒にいるとそうした事は意識せず忘れていて、
こうして目の当たりにすると少し不思議な気持ちになる。
彼女はソファーで漫画を読んでいる。
お母さんはパソコンの画面を、
高校生の弟さんはダイニングテーブルで試験勉強を、
下の弟さんはテレビゲームをしている。
皆それぞれが別々の事をしながら同じ空間に居て、
時々短い会話を交わしたりじゃれ合ったりする。
はゆちゃんも兄弟姉妹の様に一緒に居る。
何だか良いな、と思う。