Lafcadio Hearn
小泉八雲を再読している。
- 作者: 小泉八雲,上田和夫
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1975/03/18
- メディア: 文庫
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別な翻訳者のものだったので雰囲気も少々異なる様に思う。
また、何度読んでみてもその度に好きになる。
飽きるという事がない。
怪異を描いている筈の行間からは、
ヘルンさんと呼ばれて周りの人たちから愛され、
親しまれた人柄が偲ばれる様で、何処か暖かく、優しい。
初めて読んだ時には、何故怪異を取り上げたものの中から、
そんな似つかわしくないものを感じ取るのかと不思議に思ったが、
何度も読んでいると、それはハーン自身が弱者へ向けた目が
この上なく暖かなものであったからなのだろうと思い至る。
妻である節子が綴った「思ひ出の記」の中に、
こんなエピソードがある。
その年の春未だ寒さの身にしむ頃の事でした、ある夕方、私が軒端に立って、
湖の夕方の景色を眺めていますと、直ぐ下の渚で四五人のいたずら子供が、
小さい猫の児を水に沈めては上げ、上げては沈めして苛めて居るのです。
私は子供達に、御詫をして宅につれて帰りまして、その話を致しますと
『おゝ可哀相の小猫むごい子供ですね――』と云いながら、
そのびっしょり濡れてぶるぶるふるえて居るのを、
そのまま自分の懐に入れて暖めてやるのです。
その時私は大層感心致しました。
- 作者: 小泉節子,一條裕子
- 出版社/メーカー: ヒヨコ舎
- 発売日: 2003/10
- メディア: 単行本
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八雲が再話して纏め上げたものだと何かで読んだ。
節子は最初は自分の知っている日本の昔話等を聴かせていたが、
八雲にもっともっととせがまれて、夫が喜びそうな話を一生懸命訊き集めて来ては
それを語り聴かせたという。
八雲はそれを、きっと子供の様に目を輝かせて聴いたのだろう。
優しくて、可愛らしくて、少し不器用な、
魅力的な人物だったのだろうな、と思う。
へるんさんに会ってみたかったな、と思う。
小泉八雲 Wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B3%89%E5%85%AB%E9%9B%B2
思い出の記 小泉節子
http://www.aozora.gr.jp/cards/000224/files/1119.html
小泉八雲と夏目漱石
http://tubakiwabisuke.cool.ne.jp/koizumiyabumoto.html