沁みる珈琲

アリガトウ。

夜になって
まだ冷え込むなと思っていたら、
ポストに暖かい珈琲が届いた。
「オメデトウ。」 のメッセージ付き。
暖かい。
「アリガトウ。」 沁みました。


離れがたいのは土地じゃなく、
こうした日々の暮らしの、ほんの僅かな喜び。


否応なく暮らしは移り変わるけれど、
この先何処で暮らしても
この味や香り、カップから掌に伝わるぬくもりは
思い出す度に何度でも僕を暖め直してくれるだろう。
きっとそのぬくもりは、ずっと冷める事はない。