カデヲヒイダ
風邪をひいた。
これといった原因もなく。
いや、原因は何処かにはあるのだろうが、
思い当たる節がない。
全くない。
だだ、何となく、唐突に、風邪をひいた。
この、何となく、というのがどうも腑に落ちない。
今朝起きたら喉が痛かったのですぐに嗽などして
念の為に暖かいトマトスープなども飲んだと言うのに。
夜にはしっかり発熱して、もう風邪である事は疑い様もなくなった。
ああ、昨日身体を冷やしてしまったからなあ
とか
電車の中で隣の席の人が派手に咳してたなあ
とか、
なーーーんにもない。
そんな簡単に風邪になるなよ、と思うのだが、
身体の方はそんな事にお構いなしに風邪モード。
よく馬鹿は風邪をひかないと言うが、
馬鹿ほど風邪をひくのじゃないかと思うくらいに
僕は風邪をひき易い。
時々この虚弱な身体が鬱陶しくて堪らなくなるが、
あまり文句ばかりつけても罰が当りそうなので口を噤む。
熱が出ると妙に眼が潤むのは何故だろう。
きらきら輝く瞳、ならまだしも
ぎらぎらぬらぬらと言った感じなので、
ちっとも喜ばしくない。