雪
明け方から降り始めて
朝には一面真っ白になった。
チィさんと窓からその様子をずっと見ていた。
昔から雪が降るのを眺めるのが好きだ。
本人は記憶が定かではないのだけれど、
僕は雪が降ると
どんなに寒くても外に飛び出して行って
なかなか家の中に入らない子供だったそうだ。
特に何をするでもなく、
雪が降るのを只々突っ立って眺めている。
身体が冷え切ってしまっても
何時間でも飽きずに眺めている。
そうして必ず酷い風邪をひいた。
雪が降っていると、
夜中でも構わず外に行ってしまうので
止めるのが大変だったと母から聞いた。
夜中に雪が積もっていると
静かでぼうっと青く薄明るくて、
それがたまらなく好きなのだ。
静かな雪の夜の散歩は楽しい。