今市子さんの 『文鳥様と私』 の中に

動物を飼っている人なら
誰でも一度は考える事でしょうが、
私の寿命を一年分けてあげたい


長生きしてね

という台詞があった。


そっくりそのまま同じ事を思った記憶があるので、
見透かされた様な気がして一人で勝手に赤面。


チィさんは元々虚弱体質で、
何度か瀕死の状態になった事がある。
その度に 一年でも二年でも寿命分けてやるから
持ち堪えてクレー!とオロオロし、
重篤な状態に陥って瞳孔全開で痙攣なんかされた日にゃ


ぇえい残りの寿命、全部くれてやるわ!
あと十年でも百年でも生きて
猫又でも化け猫でも何にでもなってしまえ!
持ってけドロボー!


と 大盤振る舞いしてみたりした。


何度もそんな事を繰り返してきたので
願いが叶っていれば
ぼくの寿命は殆どチィさんに吸い取られて、
残り僅かなんじゃなかろうか。



持ちなおした途端に
「…やっぱり全部はやれんわ 少し返して下さい。」
と考えたのは言うまでも無い。