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チィさんが生き返る夢。
あまり喜ばしい夢とは言えなかった。
元気になって生き返るのではなく、
亡くなる直前の状態で戻って来たので
今度は別な手段で何とか繋ぎ止めようと必死に足掻いている。
しかし別な手段といっても縋れるものが他に見付けられるでもなく、
残された時間は刻一刻と削られていく。
為す術がないなら、今度は慣れ親しんだ場所で、
腕の中で看取ってやろう。
そう思った。


夢の中で痩せたチィさんの背中を撫で摩った。
腰骨がゴツゴツと掌に当たる。
力無いながらも、チィさんは目を細めて穏やかなままだった。
この夢の中で、それだけが喜びを与えてくれた。
夢の中とはいえ、もう一度失う事など耐え難い。


後悔はしていないつもりだが、矢張り何処かで
手許において看取りたかったという思いが残っているのだろうか。