去年のクリスマスに
初めてシュトーレンというものを買ってみたら
これが意外なほど美味しく、友人たちにもとても好評であった。
それを思い出して また食べたい、客に供したいとも思うが
季節の菓子なので年中手に入るものでもない。
それを話したら焼いてくれるという人があったので、
ラムレーズンを漬け込む事から始めた。
最低でも二ヶ月は漬け込まねば美味しくないというので
只管待つ。ラムを継ぎ足し、時折混ぜながら只管待つ。
途中味見と称してバニラアイスに混ぜて頂いたりしたので、
それを誤魔化しつつ減った分を継ぎ足す。


もう良かろうという事になって、シュトーレンを焼いてもらった。
焼き上がりはふわふわしたパンケーキの様だったが、
シュトーレンは焼けてすぐに食べられるお菓子ではない。
砂糖で固めて一日待ち、次の日に砂糖の鎧を割って取り出し、
ラム酒を霧吹きでかけ、まんべんなく粉糖をまぶす。
次の日も同じ工程を繰り返す。
粉糖が固まって厚いコーティングが出来たら、そのまま数日待つ。
二週間目頃からが食べ頃だ。

まさに育てるお菓子。
食べ頃になってナイフを入れると、
生地が落ち着いてしっかりしたものになっていた。
クリスマスに限らず年中食べたい。