痛いが効く

まだまだ胡乱な動きね…

腰をおかしくしてから、
いくつか妙な事を発見した。
その一つが
階段を後ろ向きに上り下りすると
普通に上り下りするよりも腰が痛まない
という事だ。気付いた時は
おお!こいつはありがたい!と思ったが
家の中ではまあそれでも良いかも知れないが
外でこれをしていたらかなり妙な光景だろう。
そうでなくても動きがギクシャクして
猫も驚くほど怪しげなのだ。
これでは外に出られない。


そこで、「痛いが効く」と、
以前から評判だけは耳にしていた整骨院
連れて行ってもらった。


診察台にうつ伏せになって待っていると
一見優男風な先生がやって来て、
見た目に似つかわしくない力強さで
情け容赦なく腰をグイグイと押し始めた。
確かに押される度、息が詰まるほど痛い。


僕はどちらかと言うと人より痛みに鈍い方で、
肩でも足の裏でも、人に力一杯押されても
我慢出来ないほど痛いと思った事はない。


しかし今日のは痛かった。そして痛いのだが
やはりどういう訳か、笑い出しそうになる
診察を受けながら色々問診されるのだが、
息が詰まるのと笑い出すのを堪えるのに必死で
巧く受け答えが出来ない。
何を話しているのかさっぱりだ。


痛くて変な汗をかいたが、診察が終わってみれば
起き上がるのが随分と楽になっている。
行きはちょこちょこ小股なペンギンの出来損ないみたいな気分だったのが、
帰りは一見普通に見えるくらいの歩き方が出来るほどまでになった。
寄ってもらったスーパーで無事買い物も済ます事が出来た。
劇的回復、と言えよう。


効きさえすれば痛かろうが何だろうが
兎に角ありがたい。
これで階段も前向きに普通に上り下り出来る。
連れて行ってくれた友人にはまた借りが出来てしまった。


ありがとう。