後始末

猫だから、吐くのはそんなに珍しい事では無い。
吐く前に必ず口を窄めて悲しげな声で鳴くので
すぐに後始末の準備が出来るのは良いのだが
猫の自尊心がそうさせるのか、
直前になって急いで一階に降りようとするのが困る。
当然階段で前傾姿勢になる訳で、
大抵は一階に降りきる前に我慢出来なくなってしまうのだが、
それでも必死に降りようとする。
ぼくはその後ろを後始末しながら着いて行く。
折角知らせてくれるなら、
移動しないで一ヶ所で済ませてくれたらもっと助かるのだけど。


吐いた後は不安になるからなのか必ず喉を鳴らして甘える。
御苦労様でした、と一頻り宥めてようやく後始末が終わる。