近所のデニーズで遅めの晩御飯。
円高還元とやらで値引きになっているステーキを食べた。
深夜になると殆ど客がやって来ない。
店員の姿も見えない。


食後は珈琲やデザートなどつつきつつ
持って行った「20世紀の幽霊たち」を読み始めた。

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

20世紀の幽霊たち (小学館文庫)

深夜に読む幽霊譚は矢張り楽しい。わくわくする。
まだ読み始めたばかりだけれど、とても好みな雰囲気。


時々本から目を上げ、まばらな客たちを見る。
向かいのテーブルには、スープと、サラダと、パスタと、ステーキを
やたらとよく噛んで只管食べ続ける中年男性が一人。
親の敵を取る様に、首を振ってリズムを刻みながら
真剣な表情で肉を噛む。
なかなか呑み込まない。
時々目が合う。
瞬きもせずステーキを噛み続ける。


別なテーブルには初老の男性と中年女性が
仲睦まじく会話に華を咲かせる。
二人ともとても楽しそう。
家族ではない。
只の友人というのでもなさそう。
タクシーを呼び、それぞれの家へ帰って行く。
二人とも始終笑顔。


入り口の近くには何かを採点している男性。
難しい顔をして答案用紙を積み重ねて行く。
静かな店内で答案用紙がカサカサと乾いた音をたてる。


珈琲を飲む。
ケーキを食べる。
また本の中へ戻って行く。