披露宴前日。
掃除、明日の支度等整える。
何か取り零しがありはしないかと気持ちが落ち着かない。


奥さんの御家族と近所の料理屋で晩御飯を御一緒する。
ひつまぶしと鶏料理を食べた。
始めてお目に掛かる御祖父様が、背筋のしゃんと伸びた
物腰の柔らかな紳士で、腕まくりしたダンガリーシャツ
チノパンがよく似合って、素敵な方だった。
つい先日までオーロラを見にアラスカまで行っていたとの事。
ブログの運営もなさっているとの事で、
一眼レフカメラで街並みの写真を多く撮って行かれた。
矢張り何時までも好奇心探求心を失わない事が
若々しさに繋がるのだな、と改めて思う。


帰宅してやり残した準備に取りかかる。
乾杯の挨拶がどうしても思い浮かばない。
大体自分達の為に乾杯の音頭を取る、という事態が面白くない。
いっそ省いてしまおうかとも考えたが、
それでは食事を始めるきっかけが得られない。
「御列席下さった皆様に感謝の意を表して、乾杯!」
とお茶を濁す事に決めて、何となく釈然とせぬままに就寝。