久し振りに友人が訪ねてくれたお陰で、
一人で寂しい年越しをせずに済んだ。
色々と話して呑んで、年越しの蕎麦も一応食べて。


別な友人が「どうせお正月らしい事、何もしないのでしょう」
と贈ってくれた、和紙で出来た小さな小さな鏡餅と御節、
机の上に並べて福助さんと招き猫たちにお裾分け。


元旦の朝には、富山に帰省中の友人の粋な計らいで、鱒寿司が届いた
わいわいと開けてみたら、鱒が乗っていない。
あれ?おかしいな…と、そこで初めて説明書きに目をやったら、
開け方が間違っていた。
蓋を下に引っくり返して開け、笹を剥がさずに切り分けるらしい。
改めまして、仕切り直し。
包丁を入れると、鮮やかな笹の緑と鱒の桜色が美しい。
さっぱりとお酢の効いた綺麗な味の押し寿司だった。




一人だったら、きっと本当に正月らしい事は何もない。
良い友人たちに恵まれた事を改めて感謝する元日となった。