2007-10-24 五月の傘 出掛けようとして、玄関のドアノブに 見覚えのあるビニール傘が引っ掛けられている事に気付く。 五月。 急に土砂降りになった雨に濡れ 玄関先で雨宿りをしていた親子に 返さなくてもいいと断り、ビニール傘を差し出した。 貸した事など、もうすっかり忘れていた。 あの雨の日を思い出す。 駅まで客を迎えに行った事。 友人との食事。 五ヶ月ぶりに戻ってきた傘は 色々な事が終わったのだと 色々な事が始まるのだと 知らせてくれている様で 暫くそこで揺れるままにしておきたくなる。