百日が瞬く間に過ぎた。
一生懸命に人の顔を目で追うようになり、
声を上げて笑うようになった。
どんどん人になってゆく。
それが嬉しくもあり、少し惜しいようでもある。
子があらぬ方へ笑いかけたり話し掛けたりしているのを見ていると、
僕がとうに忘れてしまった色々なことを知っているようで、
きっと人の言葉を話すようになれば、
この子もそうしたものとの繋がりが段々に薄くなってゆくのだろうな、
と思うと、勿体ないような、まだもう暫くそのままでいて欲しいような気持ちになる。
くるくるとよく変わる表情や不思議な目の輝きは、猫を想わせる。
チィさんがよく日向ぼっこをした場所で、今は子がすやすやとよく眠る。


早く話してみたい、一緒に色々な場所に出掛けたい、と思い、
すぐにまた、ゆっくりでいいよ、と思う。