ムーンブーツ の検索結果:

…えていたら、 今朝方ムーンブーツが亡くなったという知らせが届いた。 知らせのメールには、とても辛い七週間を過ごし、 最期の十日間は殆ど食べることも飲むことも出来なくなって とても苦しんだ事、それでも最後まで気を失わず、戦い続けた事、 諦めかけて別れを告げようとする度 「勝手に殺すな、まだ、しんでないぞ!まだおれは生きてるんだぞ!」 と叱られた様に感じた、という事が書いてあった。 制作を依頼されて資料の写真を初めて見た時に感じた、 視力を持たない筈の目の、あの凛とした光の強さを…

…て彫らせてもらった ムーンブーツの容態が思わしくないとの知らせが来た。 http://uronnaneko.jugem.cc/?eid=905 http://j.mp/9ZBupr 盲目で聴覚を持たず、歯は抜け落ちて背骨は湾曲し、 満身創痍の身でありながら、その存在は凛とした輝きを放つ。 いつかボストンに会いに行けたら、とそう願っていた。 そのムーンブーツが今、病苦との最期の戦いに挑んでいる。 それを見守る御家族の心中は、今の僕には身に沁み過ぎて酷く堪える。 家人の足取りを床…

…隣りにおいてある木のムーンブーツに指を指します。 渡してあげると、木のムーンブーツしっかり抱き締めてキスしてあげます。 以前に彫ったムーンブーツが、ソララちゃん*1 に とても大切に可愛がってもらっている事を知る。 そのお家にはムーンブーツを含め、四匹の猫が住んでいて、 ソララちゃんは毎朝四匹を抱きしめてキスしたいのだけれど、 本物のムーンブーツはもう随分と歳をとってしまっていて、 何も見る事が出来なくなってしまったし、何も聞く事が出来ない。 触れればそれだけで脅かせてしまう…

…で雰囲気の異なる二章。 そしてムーンブーツが別名で登場する第三章。 第三章にはムーンブーツの制作依頼をして下さった女性も登場する。 そしてその旦那さんも。まだお会いした事はないが、 メールのやり取りやメッセンジャーでの会話の端々から伺えるお人柄が、 登場人物にそのまま反映されている気がして、 夢物語の様な不思議な世界観の中に妙なリアリティーを感じながら読み進めた。 面白い体験。 ムーンブーツもその女性も、まだお会いしてもいないのに もうずっと昔から知っている友人の様に感じる。

嬉しい知らせ

ムーンブーツが無事ボストンに届いた、 との知らせあり。 ムーンブーツの木彫は、 飼い主の女性への内緒のプレゼントとして、 その女性の妹さんと、旦那さんからの連名での制作依頼だった。 プレゼントを受け取った女性が、暖かな労いの言葉と共に 本物のムーンブーツと木彫のムーンブーツが 仲良く並んで写っている写真を添えて、丁寧なメッセージを送って下さった。 その中に“You have captured Moonboots soul.”との一文があり、 甚く感激しているところへ、今度は依…

皮肉屋

…の送り状に記入し、 ムーンブーツの発送手続きを済ませた。 自分の手許を離れると、 改めてこの仕事が終わったのだという事を実感し、 それがほんの少し、寂しい。 良い時期に巡り会えた仕事だった。 暗闇や静寂を畏れないムーンブーツの強さが、 脆く崩れ去りそうになる自分を、何度も奮い立たせてくれた。 鑿跡一つ一つに色んな想いがこもっている。 またこんな仕事に巡り会う事が出来るだろうか。 兎に角独りで居たくなかった。 知ってか知らずか、友人が「良い天気だね」とメールをくれて 「こんな日…

…が、 朝に急な来客があって予定が変わってしまった。 食後に友人が淹れてくれた珈琲は 相変わらずとても美味しくて、それが少し切ない。 一番飲みたがっていた人は同席が叶わなかった。 ムーンブーツに目入れをした。 息を詰めて細い線を描いて行く。 最初は三日月みたいな細く締った瞳孔。 それからゆっくりと丸くふくらませて行った。 目を入れ終えて、改めて眺めてみると、 昨日の朝訪ねて来た招かれざる客に 少しだけ似ている事に気付いた。 そう思ったら、昨日の客がほんの少しだけ、可愛く思えた。

銅板貼り

…入らねばと気が焦る。 割れを埋め、その上から真鍮釘で銅板を打ち付ける事にした。 只漫然とペルシャネコらしきものが彫ってあるのでは、 どうしても弱い気がしたからだ。 ムーンブーツには何かもう一工夫欲しい。 満身創痍の身でありながら、 あの目の輝きや凛とした表情。 とても強い猫なのだ。 木割れを埋めた後わざと銅板で覆って目立つ様にし、 少々サイボーグチックな姿になったが、ムーンブーツだもの。 これくらいしてもまだ足りないという気さえする。 今日は一日中トンカン釘を打って終わった。

ウッドオイル塗布

ムーンブーツにウッドオイルを塗布。 白く塗装してから磨き、 部分的に木肌を露出させる事も考えたが、 矢張り暖かみのある木肌のまま、 ウッドオイルを浸透させて行く事にした。

ムーンブーツと蒸しパンと満月

…がら 木は硬いな、などと思う。 真っ白なムーンブーツの柔かさを想う。 暖かさを想う。 背中を撫でたらどんな感触だろう。 どんな顔をして見せてくれるだろう。 そう思いながら、ムーンブーツの底に満月を刻んだ。 月は静寂と暗闇の中に生きるムーンブーツに相応しい。 しかしムーンブーツの見る暗闇に恐怖や絶望はない。 ムーンブーツの知る静寂の中に寂しさや悲しさはない。 床から伝わって来る家人の慣れ親しんだ足取や 背中に置かれた掌のぬくもりが きっと今もムーンブーツを暖かく包み込んでいる。

高潔な魂

ムーンブーツと名付けられたその猫は、 聴力を持たないハンデを抱えながら、 それをまるで独自な方法で克服してしまっているかの様だ。 青と金に輝くその瞳には、 怯えや諦めなど微塵も感じられない。 背骨は湾曲し、真っ直ぐ歩く事さえ困難だと言う。 歯は全て抜け落ちた。 そして今ではもう光さえも失っている。 病院では「何故生きていられるのか解らない」とまで言われたそうだ。 さぞかし痛々しく弱々しい満身創痍の姿を思い浮かべるが、 一番新しい資料として送られて来た写真を見てみても、 瞳には…