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いつものように保育園に子を迎えに行くと、
園の門を潜った途端に担任の保母さんが子の手を引いて出て来た。
タイミングがあまりに早かったので驚いたが、
アレルギーのある食材を間違って食べさせてしまい、
その状況説明をする為に僕が迎えに来るのを待っていた様子。
嘔吐したことや、その後はすぐに症状が治まって元気に遊びだしたことなどを説明する。
気の強そうなしっかりした感じの方だが、表情が酷く強張っていて唇が小刻みに震えている。
おそらく子の様子を見ながら、入り口に設置されている監視カメラで僕が来るのを確認し、
すぐに玄関に出て来たのだろう。
担任の後ろには給食の係だという年配の小柄な女性が目をしょぼしょぼさせて、
「私がうっかりしまして…申し訳ありません」と消え入りそうな声で詫びる。
状況説明を受けながら子を見ると、すでに発疹も消え、顔色も良く、
何よりきっと掛り切りで構って貰えたのに気を良くしたのか、いつにも増して機嫌が良い。
担任の方の表情から、どんな気持ちで僕を待っていたのか一目瞭然だったし、
幸いなことに子のアレルギーは命に関わるほど深刻なものではなかったから、
「大丈夫です、お世話をお掛けしました」と笑って済ませる事が出来た。
きちんと状況説明をしてもらえたことで不必要な不信感も抱かなくて済む。


本当に命に関わる深刻なアレルギーを持ったお子さんもいるだろうから、
こうした間違いは大事に違いないけれど、出来ればあまり過敏になり過ぎないようにしたい。
強張って少し青褪めた顔で、それでも真っ直ぐにこちらを見て話をする保母さんを見ながら、
沢山の子を預かる、大勢の命を預かる、という立場の方の重圧や課せられる責任の重さを感じた。
一人みるだけでもこんなに大変なのだから。