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昼食に美味しいパスタを御馳走になる。
御馳走になってばかり。温泉宿へ送って頂く途中、
家族間通話無料のサービスを受ける為の手続きをすべく
携帯会社の契約店に寄る。
以前に、家族が一堂に会した時でないと
スムーズに契約する事が難しいとの説明を受けていて、
離れているからこそ必要であるのに
随分不便なシステムになっているな、と感じていた。
それならばこの機会を逃すと、また暫くはサービスが適用されず
何かと不便だろうというので、予め判子等用意させて北海道へ来たのだ。
カウンターで随分長い間待たされた挙げ句、
あれが必要、これが不備と言われ、結局サービスが受けられない。
家族間無料ということばかり強調して宣伝する癖に、
そのサービスを受ける為に必要な情報はあまり与えてくれない。
本人確認の為に身分証の原本が必要、代表者の判子が必要、
戸籍謄本が必要と、なかなかに辿り着けない。
行く先々で無理難題を言われてたらい回しにされている様で、
どうにも面白くない。
後ろで黙って聞いていたけれど、結局我慢出来なくなって
後ろから身を乗り出して口出ししてしまった。
横に奥さんの母上がいるというのに、
抑えていても段々に語気が荒くなってしまう。
いかんいかん、これしきの事で怒るのは見苦しい。
そう思って、語尾が乱暴になるのを無理矢理ねじ伏せ様とするものだから、
妙な話し口調になり、声が段々に低くなり始めるのに気付いて
慌てて裏声になったりする。
人前で怒りを露わにするなど見苦しいことは重々承知しているので、
今年は出来る限り穏やかに過ごす事を目標にしようと心に決めたばかりだというのに。


正月早々短気は損気。
自分の事ならばもう少し暢気にしていられるのだけれど。




温泉宿まで送り届けてもらい、御馳走を食べて年に一度の贅沢をした。
雪を見ながら露天風呂にゆっくりと浸かった。
ゆっくり浸かり過ぎて少々のぼせたので、
湯船の縁にあぐらをかいて涼んでいたら、
宿のおねえさんが入ってきて、屋根の雪が凍って落ちて来る危険があるので
なるべく壁から離れていて下さい、とにこやかに注意して行った。
向こうは見慣れているのだろうけれど、
素っ裸でいる時に服を着た人に話し掛けられるというのは
なかなかに照れくさい。
暫くすると今度はお父さんに連れられておかっぱ頭の小さな女の子が入って来て、
僕を指さして「あ、雪だるま−!」と言う。
驚いて振り向いたら、後ろの塀の上に小さな雪だるまがいた。
風呂から上がってその事を奥さんに話したら、
その雪だるまは先に風呂に入っていた奥さんが作ったものだった。
(男湯と女湯が時間で入れ替わる)