常日頃、狭量な振る舞いを何処かで小馬鹿にしている癖に、
些末な事で腹を立てているのが大変に癪なのだけれど、
腹に据えかねる出来事が重なったので
マンションの管理会社に連絡を取って話をした。
腹を立てねばならない、という事に猛烈に腹が立っているのもだから、
そういう時の僕は必要以上に慇懃で静かな口調になっている。
これは父と全く同じ癖だ。
あまり似たくなかったところばかりを受け継いでしまった。


管理人さんは人の善さそうな御老人で、
出来れば直接苦情を持ち込みたくはない。
「管理人」なのだからそうした事への対応は
勿論仕事のうちなのだろうけれど、
それでもこちらの心情としては、
お年寄りをつかまえて虐めている様な気持ちにさせられるのだ。
いっそ傍若無人な振る舞いの相手ならばずっと気も楽なのに。


責任の所在をはっきりとしておかなければ
この先も繰り返し起こりそうな事柄であるし
有耶無耶にしておく訳にもいかない。


最低限の礼節が守られさえすれば
些末な出来事に煩わされる事もなかろうに。