兄ヒロシさん、義姉エリコさんと共に
仕事帰りの奥さんを拾ってバイキング形式の店で晩御飯。
有機野菜を使用しているとの事で野菜中心のメニュー。
美味しいのだが元々あまり沢山食べられる方ではないし、
何度も席を立って店内をうろうろするのに慣れない。
バイキング形式にあまり向いていない様だ。
元を取れよ、と言われて少々食べ過ぎ、
途中から無口になってしまった。
腹が苦しくて気も漫ろだったのだ。
腹八分目を心掛けようと思う。


兄とこうしてまた食事を共に出来る事が素直に喜ばしい。
食欲旺盛で頑健な見た目であるのに、
今度はもう危ないかも知れぬ、と言われても
俄には信じ難い。信じたくもない。
顔を合わせても言葉を交わすことも少なく、
男兄弟というのはそんなものか、と
エリコさんにはその度驚かれるが、
それでも家族の情がないという訳ではない。


テーブルの上で握られた、兄の大きな拳を見る。
そんなに簡単にくたばってたまるか、と思う。
日子さんやエリコさん、甥たちの嘆きを想うと
それだけで胸が締め付けられる。
何度も落とし掛けた命、今度こそは大切にしてもらいたい。