年が明ける前に呑み始めて
新年を迎える頃にはすっかり酔っていた。
シャルトリューズは驚く程素早く、速やかに酔いを齎す。


チィさんは「俗世間の事など知った事か」と
いつも通りソファーで居眠りを決め込んでいたし、
新年ですよと揺り起こしてみたところで
「年が明けるよりも猫缶でも開けろ」といった風情だし、
仕方なく暗い部屋で一人静かに呑んでいた。


零時を過ぎて早々に新年の挨拶メールでもと思い、
酔った目をこすりながらメールをぽちぽちと打ったのだけれど
予想通り携帯もPHSも繋がらなくなっている。
それでGmailのチャットを立ち上げた。
そうしたらビデオチャットのウィンドウに、
次から次へ新しい顔がのぞき、おめでとうの声がする。
思いがけず沢山の新年の御挨拶を頂いた。
少し気恥ずかしいのだけれど、それに応えて御挨拶を返す。
おかげ様で寂しい年越しにならずに済んだ。


一人だけれど、一人じゃない。


あけましておめでとう。