車に乗せてもらって旭山動物園へ。
途中二度ほど事故処理をしているのを見掛けた。
道が所々凍結していてスリップするらしい。
今日は厚着をしておいた方が良いとのアドバイスを頂き、
用意しておいたヒートテックのズボン下と厚手の靴下を履いた。
行く前に買ったダウンジャケットはモコモコして不格好だけれど
軽くて暖かで、おかげで滞在中一度も寒さを感じずに済んだ。


園内には少し前に降ったという雪がまだ残っていて、
如何にも北の国の動物園といった様相ではあったけれど、
この日も快晴で日差しは暖かく、
狼は雪の上で丸くなって気持ち良さそうに眠っているし、
他の動物たちも全体的にのんびりした雰囲気。


頬に感じる冷たさも心地好く、
東京に比べればかなり寒いのだろうけど
少しも辛いとか嫌な寒さではない。
東京の冬の、何処かギスギスとした寒さの方が辛いし、好きではない。
それは気温によるものだけではないのだろう。
園内を歩いているうちに、小さな頃、雪が降ると何時間でも外に立って
上から雪が降るのを眺めていたのを思い出した。
身体が冷えきってしまってその後必ず酷い熱を出して叱られるのだけれど、
いくら叱られても僕は外に出て雪を眺めたくて、
家の中でじっとしてはいられなかった。
あの、静かで、でもわくわくする様な、少しそわそわする感じ。
それを何十年かぶりにはっきりと思い出した。


帰りはまだ時間はそう遅くもなかったのだけれど、
もう道がすっかり暗くなって、
道路は広くずっと真っ直ぐで街灯も殆どなく、
よく整備されていて気持ち良いのだけれど、すぐに眠気が襲って来る。
途中から眠気覚ましに少し怪談話などしながら帰った。


お店を閉めてずっと付き合って下さるのが申し訳ないけれど、
何より「そうしたくてしている」と言って下さるのがありがたく、嬉しい。

寒い方が、人の暖かみがよくわかる