鳴きながら階段を降りて僕を探しに来たり、
階段を上る途中で立ち止まり
不安げに振り向いて僕を待ったり、
何時になく自然な様子でぴたりと寄り添ってみたりするのは、
きっと気紛れな君の事だから
今がそんな気分なだけなのだろうけれど
愛しくて哀しくて堪らなくなるから
君はもっといつも通り
無愛想で
素っ気無くて
つまらなさそうにしていなくてはいけない。
振り向いたらそこにいて、
憮然とした表情で僕を見下ろしていなければいけない。
いて当たり前なんだから
振り向いたら何時だって
そこにいなくてはいけない。




また少し痩せた後姿を見ながら、
僕はまた少し夏が嫌いになる。