焼いては叩き

金床の上に銅線を置いてハンマーで叩き延ばし、
硬くなるとバーナーで真っ赤になるまで炙って焼き鈍し、
ぐにぐにと曲げてはまた焼き鈍して形を整える。


そうして蔦や蔓草の様な、或いは蛇の様なアクセサリーを幾つも造った。
曲げるのにも炙るのにもコツが要る。
叩き延ばして形を整えるのにも慣れが必要だ。
全ての工程に慣れて思い通りのものが出来る様になったら、
今度は銀の地金を手に入れて試そう。
地金の価格高騰が深刻で、もう以前の様に気軽に色々と試す訳にはいかなくなった。
焼き鈍しも叩き延ばしも、地金によって扱いが全く異なるのだから、
本当は最初から銀でやりたいのだけれど。
今は我慢して銅線で慣れるしかない。
練習のつもりで始めたが、銅には銅の味わいがあって、
これが意外と悪くない。
段々銅を扱うのが楽しくなって来た。
素朴で飾り気のない、嘘のない感じの金属。
金属の癖に冷たさを感じさせない風合い。
貴金属とは呼ばれず、かと言って鉄の様に鍛える事も出来ない。
何だか少し切ない様な、親近感の湧く様な。
今の自分に相応しい素材なのかも知れない。



指輪はわりと思い通りのものが作れる様になった。
今度はブレスレットの制作に取り掛かる。





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