蓼科から返還される筈だった作品は、
先方の希望で山梨の何処かへ移設される事になった。
財団の会長の出生地の側らしい。
これからもきちんと管理して貰えるのであれば、
その方が人の目にも触れる事だし、ありがたい。
そう考えて申し出を承諾する事にした。
いつか目にする機会があるだろうか。



50センチほどの地蔵菩薩を木彫で依頼したら、
制作に要する時間はどれほどか、幾らくらい掛かるか、との問い合わせ。
材は先方が準備するとの事。
何と返事をすべきか。
材を自分の目で選べないのには多少の不安がある。
彫るのに全く適さない銘木をあてがわれても困る。
条件が巧く折り合えば良いのだが。