モノクロ

紙焼きのモノクロ写真を見せて貰う。
モノクロの写真を“色が綺麗”と表現するのは少しおかしいのかも知れないが、
浮かび上がる陰影の中に、確かに“色”として感じられる“何か”があって、
それは静かで深く、それでいて凛とした強さと
はっとさせられる様な存在感を湛えている。
“音”は感じられなかった。限りなく無音に近い景色。
カラー写真には大抵音がある様に思うのだ。
僕には巧く説明する事が出来ないのだけれど。


銀塩カメラが使いこなせて紙焼きも自分で出来たら、
写真を撮る楽しみはもっと深く愉しいものになるんだろう、とは思うのだが、
どうにも敷居が高くて踏み出せない。
しかし綺麗だった。
色の幅がまるで違うのだから、同じ土俵には上がれない、と思った。



今はこれで我慢。