なんじゃくきじゃく

市販薬で抑えが効かなくなって、仕方なく近所の病院へ。
酷い雨で、少しの距離なのにすっかりずぶ濡れになる。
小さな病院は大繁盛していて、待合室のソファーには
患者さんたちが黙りこくって犇めき合っている。
自動ドアが開いて患者さんの出入りがある度に
冷たい外気が入り込んで濡れた服を冷やして行く。


出来るだけ咳き込んだりしたくない。
壁に背中と頭をぴったりくっつけて、
壁の一部にでもなった様なつもりで必死に息を潜める。
一度咳をしてしまったら、もう止める事が出来なくなりそう。


長い長い時間そうやってじっとしていたら、
顔が火照って来るのが判った。
反対に背中はどんどん冷たくなって行く。


診察はほんの二三分で済んだ。
薬さえ手に入ればそれでいい。


喉が酷く腫れているらしい。
少し前の時と同じだ。
前のは随分しつこい風邪で、
あれですっかり厄落としでもした様な気でいた。
もう暫くは大丈夫なんだろうと思い込んでいた。


今度は長引かせたくない。
すぐに治したい。