暗いうちに目を覚まし、チィさんのトイレを掃除して
ゴミ出しをして、朝食のパンを買いに行く。
普段と何も変わらない一日の始まり。


また一つ歳をとった。
晴れがましい事は何もなく、あーあ、またやっちゃったね、
という様な歳の重ね方だが、それでもまだこうして生きている事は喜ばしく、
世界は新しい驚きや小さな喜びに満ち溢れていると思える。辛うじて。


自分の周りの小さな世界で起こる全ての事が、
穏やかで静かに積層されて行く時間が、
出来るだけ長く続きます様に、と願う日になってから、
この日はとても静かな一日に感じられる様になった。


今日も少し手を伸ばせば、すぐに暖かな身体に触れられる。
それを心から喜ばしく思う。
僕が一年歳をとれば、それはチィさんにとっては
もっとずっと長い時間が経過した事を意味するのだから。






意外な処で意外な方からお祝いのメッセージを頂く。
祝う様な歳はとっくに過ぎてしまったが、それでも矢張り嬉しい。
暖かな気持ちになった。
どうもありがとう。