友人が訪ねて来ている間に、チィさんが布団の上に粗相をした。


ついさっき見た時は布団の上で円くなって
身動きもせずよく眠っていたのに、と
滅多にない事なので驚き、心配にもなったけれど
機嫌が悪い訳でも、体調が悪い訳でもなさそうだ。
“そこ、濡れてるねえ、どうしたんかしらねえ”
とでも言いたげなきょとんとした表情で
布団とシーツを洗濯機に放り込むのを眺めている。


背中を撫で、猫缶を開けて御機嫌窺いをして、
どうして粗相をしてしまったのか考えてみたけれど、
さっぱり理由が解らない。
「呆けちゃったんじゃないよね、まだ大丈夫だよね」と
“アタシのお布団、誰が濡らしちゃったんかしら”
みたいな顔で考え込んでるチィさんに念を押す。


寝惚けて一階のトイレまで行くのが億劫だったのだろうか。
不安になるからあんまり吃驚させないで欲しい。







外がやけに静かだと思っていたら、雪が積もり始めている。



しーんとした気持ちになる。