他人との関係を巧く構築して行けないのは、
周りも辛いけれど、きっと本人はもっと辛いのだろう。
世間話をする相手は居ても、本当の意味で友人と呼ぶべき人はない。
周りが手を差し伸べたとしても、その手を巧く掴む事が出来ない。
自分の心情を、只の一度も、誰にも吐露する事なく生きる事を想うと、
薄ら寒く、暗澹たる気持ちになる。
何て孤独なんだろう。


穏やかで気の優しい、上品な人だった。
只哀れむばかりで、結局何もしてあげられなかった事を今更の様に悔やむが、
だからと言って今なら何かしてやれるかというと、矢張り無力である様に思う。
本人にしか変えられない事は数多い。
歳を経て、少しずつでも変わって行く事を願うばかりだ。
長い年月を孤独に過さずに済む様、明るく、暖かな未来が訪れる様に。
心からそう願う。


世の中は理不尽な事だらけだ。