2007-10-19 蓼科からの帰還 財団の閉鎖による、作品返還先の問い合わせあり。 設置の日、鋳肌を撫でながら先生が言った。 「これはみーんな死んじゃって地上に人が誰も居なくなっても ずっとここにこうして聳え立ってるだろうな」 さも嬉しそうに、ニヤッと笑った顔を思い出す。 秘密の悪戯を成し遂げた、悪戯小僧の様な笑顔だった。 ずっとそのまま蓼科に在り続けて欲しかった気もするが、 国の土地として返還しなければならず、 設置したままにしておく事は叶わない。 100キロ近くのブロンズの塊、何処にどう置くか・・・