嬉しい知らせ
ムーンブーツが無事ボストンに届いた、
との知らせあり。
ムーンブーツの木彫は、
飼い主の女性への内緒のプレゼントとして、
その女性の妹さんと、旦那さんからの連名での制作依頼だった。
プレゼントを受け取った女性が、暖かな労いの言葉と共に
本物のムーンブーツと木彫のムーンブーツが
仲良く並んで写っている写真を添えて、丁寧なメッセージを送って下さった。
その中に“You have captured Moonboots soul.”との一文があり、
甚く感激しているところへ、今度は依頼者である妹さんが、
おそらく旦那さんが写したと思われる、
受け取ったプレゼントの梱包を解いて行く過程が収められた写真を送ってくれた。
包みを開け、巻いてあったさらしを解き、木彫のムーンブーツが姿を現す。
ムーンブーツを手に取り、泣いている写真。
愛しげに頬を寄せて笑っている写真。
どの写真もちょっぴりブレている。
胸が熱くなった。
どんなに高額な対価よりも価値のある、一番得難い報酬。
今の僕に一番必要なもの。
それを受け取った気がした。
僕のしている事は、理解されない事の方が多い。
物乞いの様に扱われたり、
世間の枠から外れたアウトサイダーとして見られる事もある。
すっかり慣れっこになってしまっていたし、
普段はどう思われようと気にしていないつもりだったが、
最近起こった出来事で、自分でも気付かずに
少し傷ついていたのかも知れない。
だから本当に、喜んで貰えた事が、素直に嬉しかった。
只々、嬉しかった。