少し前に見た夢。


左手親指の付け根に違和感があり、
触れてみると何か硬いものがある。
よく見ると皮下に何か埋っている様だ。
皮膚を少し破く様にして穿り出してみると、
細い細い白銀色の、まるで白髪の様な長い針であった。


針を抜く為に添えられた右手にも
針が何本か埋っている事に気が付いた。
夢中になって抜いた。
抜いても抜いても、よく見るとまだ針が埋っている。


とうとう小さな針の山が出来た。
それは抜け落ちた沢山の白髪の様に見えた。


ああ、何処かで誰かの恨みをかってしまった様だ。
これはそれなりに対処しなければならないだろう。
どうも面倒な事になった。
まいったまいった と思いながら、
僕は針を抜き続けた。