珍しい豆が手に入った
と言って、友人が珈琲を淹れに来てくれた。
本業は画家で、食う為に週に三度程珈琲豆を焙煎し、
その豆を売って暮らしているのだと言う。
その豆が旨いと評判になり、
今では手に入れるのも難しい位の人気なのだそうだ。


中川ワニ珈琲、という。
名前も暮らしぶりも面白いな、と思う。
深みのある香りと爽やかな後口の、絶妙な珈琲だった。
挽く前の豆には綺麗な艶があるそうだ。
酸化して脂が染み出て艶になった様な物ではなく、
照りと言った具合の良い感じの。
旨い。
飲みたいと思ってもなかなか飲めないとなると
更に旨い様な気がして来るのは僕に少々卑しいところがあるからかしら。