風呂から上がって来たら
キッチンで大きなミキサーを唸らせて
フルーツジュースを作っている見知らぬ男がいる。


男は大柄な外国人で、俳優のジョン・グッドマンそっくりだ。
父と仕事関係で親しくなった友人だと言う。
パステルカラーの明るい水色のシャツを着て、
にこにこしながら色々なフルーツを次々とミキサーに放り込んでは
大量のフルーツジュースを作り続けている。


何時の間にか父がカウンターに腰掛けて
ジョッキでフルーツジュースを飲んでいる。
僕は「一口ちょうだい。」と言って手を伸ばし
飲みかけのフルーツジュースを飲み干した。
男はその間も何度もこちらを振り向いてはにこにこして見せ、
大きな音を立ててミキサーを回し続けている。




妙な夢だった。
陽気で部屋全体が明るい陽射しに包まれていて、
まるで昔のアメリカ映画の様な。
うちの雰囲気とは正反対だ。
今思うとキッチンの壁紙もパステルカラーだった。
カウンターのある家で暮らした事はないし、
父がフルーツジュースを飲むなど考えられないし、
僕が「一口ちょうだい。」などと言う筈もない。


何故こんな夢を見たんだろう。
空々し過ぎて、現実とかけ離れ過ぎていて
虚しくなるじゃないか。