土曜の朝。
友人たちから「朝御飯食べに行かない?」と嬉しいメール。
いつも何処で何を食べるのか確認さえする事なく、
「行く行く!!」と即答する事にしている。
黙って付いて行けば、必ず美味いものや
楽しい事のある処へ導いてくれるから。


この日も黙って迎えの車に乗り込んだ。
黙々と走る事一時間ほど。
辿り着いたのは何故か洋菓子店の前。
ケーキ屋にしてはかなり地味で渋目な
少々古めかしい店構えの入り口には 近江屋洋菓子店 とある。
あれ?朝御飯て言ってなかったっけ?と思いながら入店。
ドアを入った途端に何十年か前にタイムスリップでもしたかの様な
懐かしい雰囲気の店内。 そこに「朝御飯」が確かにあった。

フルーツジュース各種に珈琲、紅茶、そして熱々のボルシチ
それからそそる惣菜パンの数々。
ケーキ屋さんなのに。
充実し過ぎなドリンクバー。


円卓や広くてゆったりしたカウンターには
一人で朝食を楽しむ人、すぐ御近所から来たような家族連れ、
様々な人たちが座っている。
そしてその殆どのトレーに暖かなボルシチが湯気を立てていた。
保温機のスープは面白いように空になり、面白いように追加された。


初めて行ったのに、何故だか懐かしい。
何時か何処かで、誰かと来た事のあるような、
そんな不思議な気持ちにさせるお店だった。


今度は一人でカウンター席に座ってみよう。
そうしたら何かを思い出せそうな気がする。