お昼は近場の鰻屋さんで鰻丼。

近場とは言っても車がなければ行けない場所だから、
車も免許も持たない僕は、友人からお声が掛かった時には
二つ返事でほいほいと出掛けて行く事にしている。

お重じゃなくて丼なのが嬉しいのだ。
決まって山椒をどっさりかける。
舌が痺れるくらい
そしてがつがつとかきこむ様にして食べる。
品の良い食べ方ではないが、
重じゃなく丼だと許してもらえる様な気がする。
食べ終わって店から出て来ても、まだ舌に痺れが残っている。
それで、「ああ、鰻丼食べた。美味しかった。」などと思う。


帰りに友人を誘って、先日見付けた洋服屋に行った。
目当ては服ではなく、硝子のアクセサリー。
きっと友人も好きだろうと踏んでいたが、
矢張り気に入ったらしく、小さな海月のペンダントを手に取った。
形にも色にも一つ一つ微妙な違いがあって、選ぶのにとても迷う。
細長く小振りで形の整った海月。ころんと丸っこくて色の綺麗な海月。
友人はその二つを交互に眺めて暫くの間考え込んでいたが、
「よし。」と言ってレジへ持って行ったのは、青が美しい丸い海月だった。
僕も「よし。」と言って残った方の海月を連れ帰った。


帰りの車中で早速首から下げる。
友人の胸元に泳ぐ海月は、光の具合で青が透けて
とても美しかった。