僕もチィさんも
出会った頃よりずっと
人と居るのが好きになった。


歳をとって
随分寂しがりになったのだと思う。


昔は独りで居るのが好きだった。
ほうっておかれるのが 心地良かった筈だった。


今もきっと
独りが嫌いな訳じゃないけれど
誰か側に居るのも悪くない、と
そう思っている様だ。


でも自分からは寄って行かない。
捻くれ者なのか 意固地なのか、
そういう変なところばかりが似ている。


その癖 誰も居ないと、きっと鳴きながら
一階と二階を行ったり来たりするのだろう。
そうして誰かが階段を登って来る気配がしたら、
平気そうに寝たふりをするのだ。


時折
黙って丸めた背中が 
寂しい 寂しい 寂しい と
そう言っているようで
そっと撫でて
喉を鳴らしてくれるまでずっと
撫でて 撫でて 撫でて


そうして掌に
心地良い振動が伝わってきて
喉を鳴らす音を聴いたら
安心して
寂しくなくなるのは
きっと僕の方なのだけれど




そんな風に
一緒に暮らしている。




これからもずっと。