もたもたもた

逃げ足なら速いよ

昔から選択を迫られるのは得意な方じゃなかったが
歳をとって臆病になった所為か、
思い切りの悪さに拍車がかかってもたもたと迷う迷う。


多くの場合、何かを選ぶ事は何かを捨てて行く事でもある。
新たに得るものもきっとあるには違いないが
失うものの方が大きい気がしてつい憂鬱になってしまう。


何でも思い切り良くバサバサ切り捨てたりできたのは
ものがよく解っていなかった所為なのじゃないか。
失う恐さを知らなかった所為なのじゃないか。
あれもこれも、無くしてから気付いても遅いのだ。


そう考えると、どんどん身動きがとれなくなって行く。


それでも選ばなければならない。
ずっと逃げて来たのだ。


出来る事ならまだまだ何処までも逃げ延びたいのだが。